空力音響学

ロケットのプルームからでる音波や、高速新幹線からの低周波騒音(100Hz以下)は超音速乱流ジェットや乱流境界層から放出される音波です。これらの音響場を解明するために高解像度シミュレーションを使って研究しています。


超音速ジェットから放出される音波の様子

左の図は、高解像度シミュレーションで得られたジェットの渦構造と音響場(灰色)を示しています。 超音速ジェットから放出される音波には強い指向性があることがわかります。 この音波をMach Waveと呼びます。またMach Waveの強さはジェット構造の発達の仕方に依存します。

発表論文

  • 超音速平面乱流ジェットの音響場に対する斜め不安定モードの影響, 渡辺大輔,前川博,松尾裕一,日本機械学会論文集B編,第72巻、第724号,pp.2878-2885,(2006).


列車が構造物を通過する際に発生する圧力波

列車が構造物を通過する際に,構造物の両端から放射される圧力波を数値計算により調べました. 左の図は、求められた圧力波の時間変化です。列車は図の右から左に向かって走行しています. 列車の走行にともなって,構造物の両端から複数の圧力波が放射されています.

発表論文

  • 列車が沿線近傍構造物を通過する際に発生する圧力波, 高見創,菊地勝浩,飯田雅宣,前川博,日本機械学会論文集B編,72巻,715号,pp612-619,(2006).

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物質混合制御

次世代航空機エンジンにおいて必要となる、超音速流れ中での燃焼においては、酸化剤と燃料の混合を超音速流中で最適に制御する必要があります。最適燃焼形態を安定的に達成するために、大規模混合と微細混合を同時進行する混合制御法を圧縮流渦構造の操作によって達成しています。

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各種管路内の非定常流れ

ロケットエンジン液体燃料輸送に見られるように、極限的コンパクト設計においては燃料ポンプへの流入口は曲がり管内の混相流れになります。曲がり管流れは外部変動に対して流れ場の複雑構造から引き起こされる振動モードが存在し、このモードをあらかじめ知っておくことが事故を起こさない設計につながります。

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流れの制御

空気壁面摩擦を低下させるため、超音速境界層の遷移を遅らせる流体力学的機構を研究しています。一方、乱流境界層が発達する下流においては、壁面ヘアピン渦を崩壊に導く機構を使って乱流境界層の摩擦抵抗を低減させることが必要になります。本研究室では、そのような機構を発見し、新しいデバイスを開発しました。


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